10代には全く感じなかったハゲ(脱毛・抜け毛)の兆しを20代、30代になって気になり始める人はとても多くいます。
そういう筆者も、20代後半から髪の毛が細くなり始め、密度が減ったと実感することが多くなってきました。
あなたもご存知の通り、ハゲは治せる病気であるものの、治療には専門医での受診が必要となり、決して安くない費用が発生するため、避けたいところです。(詳しくは、過去の記事「【コスパ重視のあなた向け!】迷わず決められるハゲの治療法」をお読みください)
種類にもよりますが、ハゲは確実に予防できます。
本記事では、ハゲにはどんな種類があり、それぞれ原因が何であるか、わかりやすく解説します。
その上で、あなたにとって必要なハゲの予防策が何であるか、明確に理解していただける内容となっていますので、最後までお付き合いください。
ハゲ(脱毛・抜け毛)の種類一覧
ハゲの種類の中で最も有名なのはAGA(男性型脱毛症)ですが、AGA以外にもハゲの症状はあります。
まずはハゲにはどんなものがあるのか、あなたにあてはまる症状がどれなのか知るところから始めましょう。
ハゲは7種類
ハゲの種類は以下の7つに分類されます。
- AGA(男性型脱毛症)
- 円形脱毛症
- 脂漏(しろう)性脱毛症
- 粃糠(ひこう)性脱毛症
- 機械性脱毛症
- 抜毛症(トリコチロマニア)
- 薬剤による脱毛
参照元:湘南美容外科クリニック AGA薄毛治療情報サイト より
それでは、それぞれ何が原因で、どんな特徴があるのか説明していきます。
AGA(男性型脱毛症)
30~40歳代から起こる脱毛症で、男性の10人に1人がこのAGAに悩まされていると考えられます。
「男性ホルモン」の過剰な分泌がその原因であり、頭頂部と額の生えぎわから起こることが特徴です。
円形脱毛症
文字通り、髪が円形や楕円形に抜けてしまう脱毛症です。
突然、抜け始めるのが特徴で、一箇所だけでなく、数箇所が抜けて面積が拡大することもあります。
円形脱毛症は、ストレスが原因であるといわれますが、現在では、ストレス以外にも円形脱毛症を引き起こす原因が解明されつつあります。
円形脱毛症で抜けた毛には、毛球を中心にリンパ球が多く含まれているという事実から、自己免疫説が現在のところ有力です。
また、過剰なストレスを受けると自律神経(交換神経)が緊張し血管収縮のため頭皮への血流が悪くなり、毛根への潤滑な栄養補給が阻害され脱毛する自律神経異常説があります。
脂漏(しろう)性脱毛症
人間の皮膚に存在するマラセチア菌という真菌(カビの一種)の増殖によって引き起こされる脱毛症で、皮脂の過剰分泌がその原因です。
マラセチア菌は皮脂をエサにして増殖しますが、この菌が増殖すると頭皮にフケやかゆみなどの症状が出ます。
さらに悪化すると毛穴がふさがってしまい、毛根部分が炎症を起こし、脱毛が始まります。
粃糠(ひこう)性脱毛症
頭皮に多くのフケが発生することで引き起こされる脱毛症です。
「脂漏性脱毛症」と同じように、毛穴がフケでふさがれ、その結果、毛根が栄養不足となり、新しい毛髪の発育が妨げられます。
機械性脱毛症
髪の毛を引っ張り続けたり、物理的な力が加わることで起こる脱毛症です。
ヘルメットをかぶり続けたり、ポニーテールのように長時間髪を強く束ねたりすると起こりやすいといわれています。
額の左右の生えぎわが後退していくことが多いようです。
抜毛症(トリコチロマニア)
正常な毛髪を自分で引き抜いてしまう病気です。
情緒不安定や精神的不安などの精神的なストレスからくる一種のクセで、子供や女性に多いのが特徴です。
このような抜毛行為が長期間続くと、抜かれた部分からは新しい髪が生えなくなります。
薬剤による脱毛
抗癌剤などの薬剤の副作用によって髪の毛が薄くなる症状です。
ガン治療や肝炎などの治療を受けている方に多くみられます。
いかがですか?
7種類もあるのは多いように感じるかも知れませんが、特徴が全く違います。
ハゲの中には、予防が効くものと効かないものがあります。
次項では、それを分類して解説します。
予防できるハゲとできないハゲ
結論から言えば、AGAは予防できませんが、それ以外の症状については「生活習慣の改善」と「ヘアケア」で予防できます。
どういうことかというと、AGAの原因はホルモンの分泌や遺伝のため、コントロールが難しいのですが、それ以外の症状ははストレスや間違ったヘアケアなどが原因となるため、コントロールがききやすいのです。
ハゲの予防策
では、AGAを除く症状に対してどんな予防策が有効なのか、整理していきます。
AGAと薬剤による脱毛を除いた症状に対して有効な予防策は以下の5つです。
- 生活習慣の改善①)適切な食事
- 生活習慣の改善②)適度な運動
- 生活習慣の改善③)十分な睡眠
- 正しいヘアケア)正しいシャンプー
- その他症状への対策
では、それぞれの予防策が何の症状に対してどう効果的なのか解説していきます。
生活習慣の改善
生活習慣の改善は「食事」「運動」「睡眠」の3つに分類できます。
生活習慣を改善することにより、必要な栄養の確保、ストレスの解消、頭皮の血流改善が期待できます。
それぞれのポイントを整理してみました。
適切な食事
適切な食事は髪に必要な栄養を補給することができ、毛髪や頭皮のコンディション悪化による症状を防ぐことができます。
適切な食事をとることで、脂漏(しろう)性脱毛症、粃糠(ひこう)性脱毛症、の予防に効果を発揮します。
ハゲの予防に効く食事とは、髪の毛の成分に近い栄養をとれる食事です。
髪の毛はケラチンを主成分としたたんぱく質でできており、ケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。
髪の毛のもと、たんぱく質
ここで18種類のアミノ酸を紹介しておきます。
- シスチン
- グルタミン酸
- ロイシン
- アルギニン
- セリン
- スレオニン
- アルパラギン酸
- グリシン
- バリン
- アラニン
- フェニルアラニン
- イソロイシン
- チロシン
- リジン
- ヒスチジン
- メチオニン
- トリプトファン
- ヒドロキシプリン
これらのアミノ酸が効率よく摂取できることがハゲの予防にとって理想的な食事、ということになります。
たんぱく質を多く含む食材は
- 豚肉
- アジ
- 鶏卵
- 牛乳
- 大豆
ですが、動物性たんぱく質は内臓に負担をかけてしまうため、筆者は特に「大豆」を強くオススメします。
ただ、たんぱく質だけを摂っても効率よく吸収することができないため、食事の中で「亜鉛」や「ビタミンB6」を多く含んだものを摂る必要があります。
たんぱく質と同時に必要な亜鉛とビタミンB6
ここでは、たんぱく質と同じくらい重要な亜鉛とビタミンB6が多く含まれる食材を紹介します。
亜鉛を多く含んだ食材としてはカキが有名ですが、魚介類には多く含まれています。
代表的なものを紹介します。
- カキ
- イワシ
- サバ
- 牛肉
- 豚肉
特にイワシには亜鉛のほかにもビタミンやチロシン(ケラチンを構成する18種類のアミノ酸の一つ)も含まれている万能な食材です。
次にビタミンですが、たんぱく質の吸収を助けるのはビタミンB6です。
専門的な説明をするため、医療機関のホームページから一部引用します。
食事からとるタンパク質は、いったんアミノ酸に分解されて、人体に必要なかたちで再合成されます。
そこで一部のアミノ酸を体内で作るのに必要なのがビタミンB6で、タンパク質を多量に摂取する人ほどビタミンB6の必要量が増えることになります。
ビタミンB6は、皮膚、髪の毛、歯を健康にし、成長を促進する作用があり、免疫機能を維持するのに必須です。
参照元:総合南東北病院 ビタミン講座~ビタミンB群~ より
ビタミンB6を含んだ食材は以下の通りです。
- まぐろ
- かつお
- さんま
- 牛レバー
- バナナ
これらを食材を含んだ食事にしていただくことで、毛髪や頭皮が弱ってしまうことを防ぎます。
たんぱく質、亜鉛、ビタミンB6を含んだ食事を意識的にとってみてください。
適度な運動
運動は全身の血流促進や各内臓器官を活性化することができるだけでなく、ストレスを解消してくれるため、円形脱毛症や抜毛症(トリコチロマニア)に効果を発揮します。
運動というと、身構えてしまう人もいるかもしれませんが、まずは一日30分歩きましょう
30分歩くだけで最大限の効果を得る3つのポイントがあります。
- エレベーターを階段に換える
- 自転車を徒歩に置き換える
- いつもよりも足を上げる、腕を振る
ポイントは「今の運動量よりも30分増やすこと」です。
かといって、わざわざ運動する時間はなかなかとれませんよね。
そこで、移動の手段を置き換えてみたり、同じ運動でもよりカロリーを消費するような動きにしてみることがポイントです。
十分な睡眠
睡眠は細胞を回復させ、明日へのエネルギーを蓄える効果に加えて、睡眠不足を解消することでストレスを軽減することもできます。
頭皮や毛髪の状態の改善からストレスまで幅広く効果があるため、脂漏(しろう)性脱毛症、粃糠(ひこう)性脱毛症、円形脱毛症、抜毛症(トリコチロマニア)の予防に効果を発揮します。
私たちは、十分な睡眠というとすぐに睡眠時間を連想しがちですが、それは違います。
大手発毛会社リーブ21によれば
睡眠不足が続くと脳細胞の疲労を回復することができず、内臓に障害が出たり、血液の状態が悪くなってしまいます。
血液は、昼は内臓諸器官に比較的多く、夜になると皮膚や骨に流れます。
そのため、皮膚の細胞は、夜10時~深夜2時ごろにつくられるといわれています。頭皮や髪もまた同じことです。
参照元:リーブ21 役立つ髪の知識 より
ハゲの予防にとって大切なのは時間の長さではなく、どの時間帯で寝るかです。
夜10時から深夜2時で睡眠をとろうとすると、必然的に早寝早起きになるので、筆者はオススメします。
正しいシャンプー
次に正しいシャンプーについて解説します。
正しいシャンプーは、「シャンプー選び」と「シャンプーのやり方」に分けて説明すると分かりやすいと思います。
頭皮と毛髪を清潔な状態にしておくことで、脂漏(しろう)性脱毛症、粃糠(ひこう)性脱毛症を予防することができます。
詳しくは、過去の記事「【実際に試してみた!】抜け毛・フケ対策のシャンプーBEST3」をお読みください。
あなたにとって適切なシャンプーを選び、それを正しく使うことで間違いなく脂やフケを防ぐことができます。
正しいシャンプーの選び方
あなたがハゲを予防するためのシャンプーを選ぶのであれば、間違いなく「アミノ酸系シャンプー」がオススメです。
シャンプーには3つのタイプがあります。
- アミノ酸系
- 石油系
- 石鹸系
よくTVのCMで見かけるような商品やドラッグストアで安く(数百円)買える商品はほぼ石油系です。
石油系や石鹸系のシャンプーは洗浄力が強く、頭皮の脂を必要以上に落としてしまうため、フケを発生させ、粃糠(ひこう)性脱毛症の原因になってしまうのです。
では、アミノ酸系シャンプーかどうか何を見れば分かるのかを説明します。
シャンプーボトルの成分表示は配合量の多い順に記載されています。
シャンプーの成分で最も多いものは水で、その次にアミノ酸系成分の記載があれば「アミノ酸系」シャンプーと言えます。
アミノ酸系シャンプーに含まれている成分は以下のとおりです。
シルグルタミン酸 | ラウリルリン酸 |
ココイルメチルタウリン | ココイルグルタミン酸 |
イセチオン酸 | スルホコハク酸 |
ヤシ油脂肪酸 | メチルタウリン |
パレス | ラウリン酸 |
加水コラーゲン | ココイルグルタミン |
ミリスチン酸 | アスパラギン酸 |
ラウロイルサルコシン | グリシン |
プロピオン酸 | ココイルメチルアラニン |
メチルアラニン | ラウロイルメチルアラニン |
ラウリルベタイン | サルコシン |
ラウロイルアスパラギン | コカミドプロピルベタイン |
グルタミン酸 | ココイルアラニン |
たくさんあって覚え切れない場合は、「ラウロイルメチルアラニン」「ココイル〇〇」「〇〇ベタイン」が成分として入っている商品を選んでください。
ただ、アミノ酸系シャンプーは洗浄力が強すぎないかわりに、しっかり洗わないと頭皮に脂が残ってしまうという弱点もあります。
それを補うためにも、次章のシャンプーのやり方をお読みください。
正しいシャンプーのやり方
この章ではアミノ酸系シャンプーの効果を最大化するために正しいシャンプーのやり方をお伝えしていきます。
ここでは大まかな要約をご紹介しますので、あなたがもっと詳しく知りたい場合は過去の記事「【実際に試してみた!】抜け毛・フケ対策のシャンプーBEST3」をお読みください。
正しいシャンプーの特に重要なポイントは3点あります。(上の過去記事ではもっとたくさんポイントを紹介していますが、ここでは最低限に絞ります)
- シャンプー前のブラッシングと予洗い
- 適量を泡立てて指の腹を使ってマッサージ
- 2分以上のすすぎとしっかりタオルドライ
それでは詳しく説明します。
シャンプー前のブラッシングと予洗い
お風呂場に入る前に、まず先の丸いブラシで全体をとかしてください。
これをすることで髪の毛や頭皮の汚れを大雑把に落とすことができます。
ブラッシングが終われば、シャワー開始です。
まずは38度程度のお湯を頭全体に満遍なくかけ、1分~1分半の時間をかけて洗っていきます。
これで頭皮や毛髪の表面上の汚れの多くは落ちているはずです。
指の腹を使ってマッサージ
ここからようやくシャンプー剤を使います。
ショートヘアなら1プッシュで十分なので、手のひらでしっかりあわ立てて、さらに髪の毛につけてからもクシュクシュと泡立ててください。
ここでは頭皮をマッサージしながら洗うイメージで、指の腹(指紋がある部分)で頭皮を漏れなく揉み洗いしてください。
2分以上のすすぎとしっかりタオルドライ
頭皮全体をマッサージできたら、いよいよすすぎです。
すすぎは予洗いよりも長い時間をかけて行ってください。
見た目や手触りで泡が落ちていても、髪の毛にシャンプー剤の成分が残っているからです。
目安は予洗いにかけた時間+1分程度なので、2分以上かけて行います。
しっかりとすすげたら、ドライに入りますが、ドライヤーよりもタオルドライを念入りに行ってください。ドライヤーでは頭皮の湿気まで乾かすことができないからです。
体を拭くタオルとは別に新しいタオルを使って、頭皮の水分をタオルで吸うイメージで乾かしていってください。
以上でシャンプーの説明を終わります。
過去の記事にはもっと詳しく書いてありますので、興味があればそちらもお読みください。
次の章では、上記以外の予防策が必要な症状について説明します。
その他症状への対策
最後になりますが、正しい生活習慣と正しいヘアケアでは予防できない機械性脱毛症、薬剤による脱毛について説明します。
機械性脱毛症とは別名で牽引性脱毛症とも呼ばれ、特に女性は髪の毛を縛ったりエクステンションをつけるケースが多いため、この脱毛症になりやすいです。
予防策としては、同じ箇所に負担がかからないように結び目や分け目、髪形をこまめに変える、エクステンションはつけないことが有効な予防策です。
また、男性は帽子やヘルメットなど、髪の毛を強く押さえつけるケースがこの症状になりやすいです。
仕事でどうしてもつけなければいけないケースを除いて、極力帽子やヘルメットは避けることをオススメします。
次に薬剤による脱毛ですが、こちらは予防と言うよりも、担当医師とよく話し合ってもらうしかないです。
抗がん剤の副作用で髪の毛は抜けてしまいます。
その期間や程度を医師からきちんと説明を聞き、納得した上で投薬を受けてください。
ここまでで、ハゲの原因やその予防策を説明しました。
ここで、本記事の趣旨は完結しましたが、万が一あなたが既にハゲになり始めている場合、予防策では問題解決になりません。
最後のおまけとして、ハゲになってしまった場合にどの医療機関を受診すればいいか、解説して終わりたいと思います。
【おまけ】ハゲになってしまったら
もしもあなたの頭皮でハゲが進行している場合、程度にもよりますが、生活改善やシャンプーでは治りません。
その場合、早急に医療機関にかかることをオススメします。
なぜなら、あなたがAGAであった場合、AGAは進行性なので放置すれば治らない可能性があるからです。
では、どの医療機関を受診すれば良いか。
筆者のオススメは「まずは近所の皮膚科を受診する」です。
詳細は過去の記事「【病院はたった2択】男性の抜け毛は近所の皮膚科から受診するのが正解」をお読みください。
要約すると理由は3点です。
- AGA以外の病気も診察の対象になること
- AGA以外は保険診療で受診できること
- 内容が分かりにくい治療は行われないこと
皮膚科を受診し、医師にAGAの専門知識がなければ、そのときはAGAクリニックを受診してください。
記事内にもありますが、AGAクリニックは自由診療なので費用が高いことに加えて、不透明な薬や治療内容も多く存在するため、どのクリニックを選ぶかが非常に大切です。
初めからAGAクリニックに飛び込むのはハードルが高いため、筆者はオススメしません。
全体のまとめ
最後にここまでの内容をまとめ、おさらいします。
あなたが理解した内容を復習するつもりで各項目を見てください。
- ハゲの種類は7つある
- AGA以外は予防策がとれる
- 生活習慣とヘアケアが大切
- 生活習慣は食事、運動、睡眠
- ヘアケアはシャンプーの選び方とやり方
- ハゲになってしまったら医療機関へ
- まずは近所の皮膚科を受診するのがオススメ
いかがでしたか?
あなたが心配している症状が何で、その予防にどんなことをすべきか理解できたと思います。
特に生活習慣はハゲだけでなく、様々な病気リスクに対しても有効な予防策であるため、この機会にぜひ取り組んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。