最近、個人輸入を使って薬を購入している人増えています。
筆者の知人にも、AGAやEDの薬を個人輸入を通して購入している人が何人かいるため、なぜ個人輸入なのか話を聞いてみたところ、「時間がないから」や「病院は恥ずかしいから」など、様々な理由が返ってきました。
でも、実際に自分が個人輸入で薬を買うとなると、知らないことが多すぎて不安になりますよね。
本記事を通して、あなたは個人輸入とは?から基本的の習得から、最終的にはどのように薬を買うことがベストな選択なのか選べるようになります。
どうか最後までお付き合いください。
まずは、知っているようで知らない、個人輸入の基礎知識から説明していきます。
目次
医師による処方と個人輸入の違い
通常、日本国内で薬を購入しようとすれば、医療機関で医師に処方箋を書いてもらい、院内もしくは院外の薬局で処方箋と同じ内容の薬を薬剤師に用意してもらう、これが一般的だと思います。
実際に筆者も30数年間、これ以外に薬を手に入れる方法があるとは思っていなかった一人です。
個人輸入を理解するに、既存の仕組みを理解した上で、どこに違いがあるのかを解説していきます。
国内の医薬品の認可と流通
日本は全ての医薬品を厚生労働省が管理しています。
あなたの家にも「薬」と名前のつくものは、「医療用医薬品」と「一般用医薬品」に分類されています。
あなたが手にしているその薬が、病院で処方されたものであれば「医療用医薬品」でドラッグストアで買ったものであれば「一般用医薬品」です。
両者の違いをもう少し詳しく表現すると「医師の判断で使用した方が良い薬」と「それ以外」です。
以下、厚生労働省のホームページ内容を抜粋します。
医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品をいう。
なお、医療用医薬品及び一般用医薬品の両方に使用される製剤原料として製造又は輸入の承認申請を行う場合は、医療用医薬品として取り扱う。
また、次のいずれかに該当する医薬品は、原則として医療用医薬品として取扱うものとする。
ア 麻薬、覚せい剤、覚せい剤原料、要指示医薬品、毒薬又は劇薬。ただし、毒薬、劇薬のうち、人体に直接使用しないもの(殺虫剤等)を除く
イ 医師、歯科医師が自ら使用し、又は医師、歯科医師の指導監督下で使用しなければ重大な疾病、障害若しくは死亡が発生するおそれのある疾患を適応症にもつ医薬品
ウ その他剤型、薬理作用等からみて、医師、歯科医師が自ら使用し、又は医師、歯科医師の指導監督下で使用することが適当な医薬品
参照元:厚生労働省 医療用医薬品と一般用医薬品の定義 より
簡単な言い方をすれば、
- 医療用医薬品:効果が高く、副作用の心配もあるため医師の処方が必要な薬
- 一般用医薬品:効果がそれほど高くなく、自己判断・自己責任で買って良い薬
となります。
このように、国内で流通する効果の高い薬は医療用医薬品に分類され、例外なく医師の処方が必要となります。
また、法律(医師法20条・22条)によっても医師は診察なしに処方箋は出せず、処方箋を出さずに医薬品を提供することはできない、とされています。
ここでは、「日本国内で効果の高い薬を買おうとすれば、医師の診察と処方箋の発酵が必ず必要である」ということをご理解ください。
個人輸入の背景
では、厚生労働省による厳密な管理下にある医薬品をなぜ個人輸入で手に入れるのことができるのか、背景を説明します。
あなたは個人輸入が違法じゃないのか不安に感じるかもしれませんが、個人輸入自体は違法ではありません。
厚生労働省のホームページに個人輸入に関する記載がありますので、抜粋します。
一般の個人が自分で使用するために輸入(いわゆる個人輸入)する場合(海外から持ち帰る場合を含む。)には、原則として、地方厚生局(厚生労働省の地方支分部局)に必要書類を提出して、営業のための輸入でないことの証明を受ける必要がありますが、以下の範囲内については特例的に、税関の確認を受けたうえで輸入することができます。
当然この場合、輸入者自身が自己の個人的な使用に供することが前提ですので、輸入した医薬品等を、ほかの人へ売ったり、譲ったりすることは認められません。ほかの人の分をまとめて輸入することも認められていません。
(中略)
- 外用剤(毒薬、劇薬及び処方せん薬を除く。): 標準サイズで1品目24個以内
外用剤・・・・・軟膏などの外皮用薬、点眼薬など
処方せん薬・・・・・有効で安全な使用を図るため、医師による処方が必要とされる医薬品- 毒薬、劇薬又は処方せん薬: 用法用量からみて1ヶ月分以内
- 上記以外の医薬品・医薬部外品: 用法用量からみて2ヶ月分以内
参照元:厚生労働省 医薬品当の個人輸入について より
個人輸入自体は違法ではなく、また個人の使用に目的が限定されれば、役所への届け出も必要なく税関によるチェックだけで購入できるということです。
もっと要約すると、「あなただけが使う目的であれば、自己責任において個人輸入はしても良い」という理解をしていただければ大丈夫です。
ちなみに「1ヶ月以内」というのは、指定の用法用量で1ヶ月分のカウントなので、1日何回、何錠服用する薬なのかによって許容される購入量が違います。
目安として
例)1日1回1錠の場合=30錠程度が上限
もしも税関の検査で検査するのに止まった場合、あなたの自宅に「通関手続きのお知らせ」が届きます。
この場合、税関に対して個人使用目的であることを説明すれば再度無事通過するケースもあるのでまずは税関に連絡してください。
ここまでの内容で、個人輸入とはどんなものなのか、大筋を掴んでいただけたと思います。
では、実際に個人輸入をどのように行うのか、次章で説明していきます。
輸入代行業者の役割
個人輸入で薬を輸入しようにも、海外のどの業者に連絡をとり、どのように注文し、どのようにお金を払うか、イメージできる人は非常に少ないと思います。
そこで、重要な役割を担っているのが個人輸入代行業者です。
個人輸入代行業者の主な役割は、以下の図のとおりです。
参照元:厚生労働省 個人輸入代行業の指導・取締り等について より
この図を見ていただいて分かるとおり、個人輸入代行業者の役割は「輸入を取り次ぐこと」です。
あなたから注文と代金を預かり、注文と支払いをあなたの代わりに行うところまでが個人輸入代行業者の役割で、注文を受けた商品をあなたに発送するのは外国の販売業者の役割となります。
※この発送作業を国内の事業者がやってしまうと医薬品販売業者という扱いとなり、営業には許認可が必要となります。
次章では、医師による処方と個人輸入、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきます。
医師による処方と個人輸入のメリットとデメリット
まずは、簡単に比較できる表を作成しましたのでご覧ください。
買い方 | メリット | デメリット |
---|---|---|
医師による処方 | 医師によるサポートがある 薬の信頼性が高い 飲み合わせの心配がない |
価格が高い 人に会ってしまう 時間や手間がかかる |
個人輸入 | 価格が安い 国内認可薬以外も買える 人に会わずに買える |
副作用への補償がない 偽物の可能性がある 全てにおいて自己責任 |
安全性や信頼性を重視すると医師による処方で、経済性を重視すると個人輸入の方を選ぶのが適切のようです。
それでは、それぞれの買い方について解説していきます。
医師による処方のメリットとデメリット
前章でも触れましたが、日本国内で販売されている医薬品は非常に厳しく管理・規制されているため、怪しい商品が混入する可能性は限りなくゼロに近いと言えます。
また、医師は自身の治療経験に加えて、製薬会社のMR(営業担当者)から薬に関しての様々な事例やデータの提供を受けているため、あなたに何か異変があった時に根拠や実例に基づいたアドバイスや追加の治療を受けることができます。
薬には決まった効果があるとは言え、効き目の程度には個人差があり、体質や普段飲んでいる薬との相性で想定外の作用を起こすことがあるため、もっとも安心できる買い方であると言えます。
一方で、デメリットもあります。
本記事の前半にお伝えした内容を思い出してください。
また、法律(医師法20条・22条)によっても医師は診察なしに処方箋は出せず、処方箋を出さずに医薬品を提供することはできない、とされています。
これによって、全ての医療用医薬品は医師の診察と処方なしに買うことはできません。
また、医師による医療行為(診察や治療行為、処方箋など各種書類作成)は全て何をしたらいくらの報酬と保険点数で管理されており、決まった医療費を支払う必要があります。
つまり、医師や病院がお金を取りたがっているわけではなく、日本の仕組みとして医療用医薬品を買うことには必ず医師に支払う診察や処方箋の費用がついてくる、ということです。
当然ながら、医薬品自体の価格に加えて、それらの費用が乗ってくるため、3ヶ月〜6ヶ月、それ以上の期間の継続服用が必要なAGA治療においてはあなたの大きな負担になってしまいます。
次に個人輸入のメリットとデメリットの説明に移ります。
個人輸入のメリットとデメリット
個人輸入のメリットは圧倒的に価格の安さと手軽さです。
まず価格ですが、日本の医療用医薬品の価格は薬価といって、日本医師会と厚生労働省の間で毎年見直されているのですが、日本医師会は政治に対して強力な力を持っているため、海外に比べて高い水準になっています。
そこに加えて、国内生産であれば製造原価や物流コスト、そうでなくても人件費が乗ってくるため、海外生産の同成分医薬品と比べて高くなってしまうのです。
一方で個人輸入は日本の薬価のような価格決定プロセスがないため元が安い上に、上乗せされるコストが海外からの輸送費くらいなので、圧倒的に安くなるのです。
次に手軽さですが、個人輸入は基本的に全て自宅で、スマホで完結することができます。
当然ながら病院に通ったり、人に会ったり、自分のことを話したりといった、悩みを抱えるあなたにとって大きなストレスとなる行為を避けることができるのです。
では、次にデメリットの説明です。
大きく2つに分けると、個人輸入のデメリットは偽物の可能性と不測の事態への対処です。
まず偽物の可能性ですが、個人輸入代行サイトは国内・海外問わず無数にあります。
またその規模も、年間数万件を超える取引実績のあるサイトから、取引実績がなかったり、医薬品販売行為を行っているところまで、ピンキリです。
価格の安さだけにつられて聞いたことのないサイトで購入してしまうと、そういった悪徳な業者につかまってしまう可能性があるため注意が必要です。
もう一つの不測の事態への対応ですが、これは主に副作用やそれ以外の症状について医師の適切なアドバイスを受けることができないことを指しています。
医師に相談できないのは意地悪な話でなく、その薬が本物なのか、なんの成分が入っているかなど原因となる薬の詳細な情報が手に入らないため、確かな答えが出せないのです。
先ほども登場した、製薬会社やMRが持っている膨大なデータや実例も、正体不明の薬が引き起こす症状に対しては役に立たないのです。
個人輸入のデメリットについてはご理解いただけたと思います。
次章では、医師による処方と個人輸入のどちらをあなたが選んでも失敗しないために、どうすればいいかを解説します。
失敗しないためのコツ
ここまで説明してきた、それぞれのメリットとデメリットとうまく付き合うために、あなたが何に気をつければいいかを本章で説明していきます。
あなたが医師による処方と個人輸入のどちらを選んでもより良い選択ができる内容となっていますので、最後までお読みください。
ちなみに、筆者のオススメは両方を良いとこどりした「始めは医師の処方を受けて、体調に問題なければ個人輸入に切り替える」ハイブリッド運用です。
医師による処方をうまく使うコツ
あなたが医師による処方でAGA治療を行っていく場合、大切なポイントは「どうやって余計な費用をかけないか」です。
なぜ、「費用を安く済ませるか」ではないかについてはこの後説明します。
AGA治療は自由診療であるため保険がききません。
そのため、ある程度の費用がかかってしまうことは仕方がないことだと覚悟してください。
ただし、治療方法をきちんと選ばないと高額な薬や器具を使われてしまい、とんでもない金額を請求されてしまう可能性があります。
本章では、あなたがその罠にはまらないようにきちんと知識をつけていただきます。
まずはじめに、AGAクリニックで処方される薬がどれくらいの費用なのか、AGA治療で処方されやすいプロペシアやザガーロを例にしてご紹介します。
初回処方 | 2回目以降 | |
---|---|---|
プロペシア | 約5,000~6,000円 | 約7,000〜8,000円 |
フィナステリド (プロペシアのジェネリック) |
約4,000~5,000円 | 約6,000〜7,000円 |
ザガーロ | 約5,000~6,000円 | 約8,000〜10,000円 |
薬代だけでみると、どこのクリニックもこれくらいです。
ただ、治療内容やその費用で比べるとクリニックごとにかなり違ってきます。
本記事では代表的なクリニックに直接電話をし、主なAGA治療の内容とその費用を実際に調べてまとめましたのでご紹介します。
クリニック | 主な治療内容 | 治療費/月 |
---|---|---|
AGAスキンクリニック | オリジナル処方薬 | 14,000円 |
銀座総合美容クリニック(銀クリ) | 認可処方薬 | 18,900円 |
新宿メディカルクリニック | 注入治療 | 8,000~80,000円 |
TOMクリニック | オリジナル処方薬+注入治療 | 40,000〜100,000円 |
ゴリラクリニック | 注入治療 | 100,000〜140,000円 |
まず注目していただきたいのはまず治療内容です。
ここで筆者がオススメしたいのは「認可処方薬を中心に治療を行っているかどうか」です。
その他の治療内容としては、クリニックが独自で調合している薬を販売しているケースや、有効成分を頭皮に直接注入する治療を行っているケースなど様々ですが、中には医学的に効果が立証できないものもあり、高い費用の割に効果が期待できません。
次に治療費を見ていただきたいのですが、一番安いものと高いものが実に10倍の差となっています。
10万円を超える注入治療とはいったいどんな成分なのか、気になるところですが、残念ながら教えてもらえませんでした。
もしかしたら中々手に入らない貴重な原材料を使用しているのかもしれませんが、効果があるのかはっきりしない、何が使われているのかわからないでは手を出さない方がいいと考えるのは当然です。
AGAクリニックにかかる際は、以下の3つを実践していただければ、これらのトラブルを避けることができますので、オススメです。
- 事前に電話で治療方針や内容について確認しておく
- 認可治療薬以外の治療方法はきちんと断る(選ぶ権利はあなたにあります)
- シャンプーや育毛剤はクリニックで買わない(市販のものと大差ありません)
ほとんどのAGAクリニックはどこも駅前の便利な一等地にある綺麗なビルに入っています。
その家賃を払うためには、一人一人の患者から多くの利益を上げる必要があり、クリニックによってはオリジナルの薬、治療方法、シャンプーや育毛剤の販売で大きな利益を稼いでいます。
費用を安く抑えたければ、クリニックの医師が売り込んでくる様々なオリジナル治療をいかにして受けないかが大切です。
個人輸入をうまく使うコツ
個人輸入の難点は本物であることの信頼性の低さです。
そんな個人輸入をうまく使うコツは「いかに信頼できる個人輸入代行業者を通して買うか」です。
星の数ほどある個人輸入代行業者の中で、確かなルートで本物の薬を発注してくれるところを自分で探すのは不可能です。
そこで、筆者がオススメする個人輸入代行業者は「オオサカ堂」と「アイドラッグストアー」です。
この2社をオススメする理由は3点です。
- サイト開設から20年以上の運営実績がある
- 大量の商品レビューによって購入者の感想を知ることができる
- 第三者による鑑定によって品質保証がされている
筆者がこれまで目にしてきた数十のサイトでこの3つの条件を満たしているのがオオサカ堂とアイドラッグストアーのみでした。
まず20年以上の運営実績についてですが、20年前といえばまだスマホなど世の中になく、ガラケー全盛期でした。
その時代から国の規制や取り締まりを受けながらも続いているサイトです。
まずはここが絶対的に信頼できるかどうかの分かれ道になります。
次に商品レビューです。
ここでいう商品レビューはそれぞれのサイト上のものだけでなく、SNSへの投稿などユーザーが発信するもの全てを指します。
ネットでは悪い評判ほど爆発的に拡散します。
当然、薬が偽物だった、おかしな症状が出たなどという情報であればあらゆるチャネルでその情報は確認できます。
この2社については取引実績がトップレベルであるにも関わらず、ネット上で調べてみても偽物を買わされた、健康被害が出たという投稿は全く見つかりませんでした。
最後に商品鑑定ですが、これがもっともあなたを安心させる材料になります。
第三者機関に薬の鑑定を依頼し、その証明書を商品ページ上で確認できるようになっています。
▼実際にオオサカ堂がプロペシアの商品ページに掲載している鑑定書がこちらです。
これ以上に本物であることの根拠はないと思います。
個人輸入代行サイトを選ぶ際はこの3つのポイントを抑えているかチェックしてください。
ここまでで本記事の内容は全て終了です。
最後に全体のまとめを記載しますので、おさらいのつもりでお読みください
全体のまとめ
本記事では、個人輸入とは何か、個人輸入代行業者とは何者かから始まり、医師の処方と個人輸入のメリット・デメリット、それぞれを活用するコツについて解説してきました。
あなたに覚えていただきたいポイントは以下のとおりです。
- 個人輸入は合法
- ただし、内容や数量に制限があり、自己責任
- 個人輸入代行業者とは輸入の仲介業
- 医師による処方のメリットは安全性や安心感
- 個人輸入のメリットは価格の安さと手軽さ
- 筆者のオススメは両方を併せたハイブリッド
いかがでしたか?
本記事を通してあなたにとって最適な薬の購入方法がわかり、無理なく投薬が続けられるようになることで、AGAが治ることをお祈りしております。
なお、AGAの治療薬について、どんな薬があってどのような特徴があるのかを詳しく調べた記事も過去に書きましたので、治療の中で知りたくなったらそちらもお読みください。
プロペシア(フィナステリド)に関する過去記事はコチラ
ザガーロ(デュタステリド)に関する過去記事はコチラ
ミノキシジルに関する過去記事はコチラ
ではまた。